ご挨拶
一般社団法人「鍼灸マッサージ師会」
代表理事 清水一雄
平成31年1月から保険者によって異なりますが、はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧(「あはき」という)の療養費の支給が償還払いから受領委任払いでスタートを切ることになりました。
しかし受領委任払いに移行するか否かは各保険者の裁量によるとされています。実に分かりにくいです。まず今年1月からの形態は
- 受領委任に移行する保険者
- 受領委任に移行するまでを代理受領を続行する保険者
- 頑として受領委任を認めようとしない償還払いを実行する保険者
の現在3通りです。
償還払いは患者が請求するということで、国民皆保険制度において医療機関に保険証を提示するだけでよかったのが、患者自らが手続きをしなければなりません。本来入れるべきではないものです。
療養費の支給について全く知らない患者にとってかなり困難です。それと医療費を全額支払わなければならないという経済的問題があります。どう見ても諦めさせる為の手段と思わざるを得ません。憲法第25条の生存権と健康権を無視したやり方です。
そこまでして「あはき」を遠ざけようとする保険者に対する意図がまったくもって理解に苦しみます。陰で大きな権力が働いているのでしょうか。
「あはき」は患者のためのものであり患者に機能しなければ何の意味も為しません。昭和25年から見て69年ぶりに国が「あはき」を健康保険において患者請求から、国及び保険者と施術者との契約による取り扱いを認めました。それ如きでこんなにも時間がかかってしまいましたが、保険者の裁量によって保険者が受領委任を受け入れなければ償還払いの問題として残ります。
この問題を解決していくために、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師(「あはき師」という)が立ち上がらなければなりません。受領委任が導入されるようになったので着眼すべきことは①保険者総てが受領委任に移行すること②国民が取扱い易いこと③申請事務作業の煩雑さを無くすることです。
その為にも
- 患者に支持される医療活動を行う。
- 「あはき師」が積極的に療養費の支給申請(健康保険の取り扱い)を取り扱う。
- 問題があれば放置せずに問題解決に努める。
「あはき」のことは「あはき師」が立ち上がらなければ前進しません。国民の声が大きくものをいいます。このような活動が一般社団法人鍼灸マッサージ師会の基本方針です。
賛同される仲間と共に活動したいと思っています。
平成31年4月吉日